本当に些細なことでカッとなってしまい、物に当たる、人を怒鳴る、などの経験がある方もいますよね。
抑えようとしてもそれが出来ずにつらい思いをしてしまうものです。
すぐにカッとなってしまう原因とは何なのか。
もしかしたら鬱病や発達障害などの病気の可能性もあるのでしょうか。
治したいのに、どうすればいいかわからない。
このような悩みを少しでも解決できるよう書いてみました。
すぐにカッとなってしまう原因は?
さて、「すぐにカッとなってしまう」「イライラや怒りが抑えられない」「他人から見下されているような気がしてならない」などの感情がわいてくる原因とはどんなものがあるのでしょうか。
これには複数の原因が考えられます。
- 睡眠不足や不安定な食生活
- ストレス耐性が低い
- 精神病などの病気の可能性
1.睡眠不足や不安定な食生活
睡眠不足は言わずもがな、身体的疲労や精神的疲労の原因となります。
- 感情をコントロールする部位である偏桃体の過剰な活動も引き起こしてしまいます。
- さらに、成長ホルモンの分泌不足も引き起こし、疲労などの回復を妨げます。
食生活の面としては、まず第一にカルシウムの不足が挙げられますが、それだけではありません。
- 食事が動物性のものに偏っている可能性があります。少しでも野菜や玄米などを摂取してみると心も落ち着いてきます。
実際に、囚人にそのような食事をさせたところ、再犯で捕まる割合が下がったというデータもあります。
2.自分に自信がない
自分に自信がない方は、すぐに相手に馬鹿にされたような気がしてしまい、カッとなってしまいます。
それは、幼少のころからの両親からの育てられ方、周りの接し方によるところも大きく、否定されて育ってきた方に多く見られます。
長年、否定された続けたことで、周りの人間から馬鹿にされているような錯覚に陥ってしまうのです。
これは、心の奥底に染みついてしまった呪縛でもあるので、治すことは容易ではありません。
治す方法としては、自分に肯定的な言葉を自分自身で投げかけるというものがあります。
これを何千回と繰り返し行うのです。長年蓄積され、脳に染みついた否定的な言葉を打ち消す必要があります。
「私は自分のことが好きだ」
「私は出来る人間だ」
などの言葉を言い聞かせましょう。
ただし、「私は強くなりたい」などの願望や「私は弱くない」などの否定の否定はやめましょう。あくまでストレートな表現で。
こうすることで、自分の欠点もひっくるめて自分自身に愛情がわきます。これに伴いすぐにカッとなることもなくなってきます。
3.ストレス耐性が低い
人間は日々のストレスから自分を守るため、様々な防衛機制が働きます。
ストレス耐性の低い人ほど、これらの防衛機能が活発に働いてしまうのです。
- 不安や恐怖心の置き換え。
不安を感じることがあると、その原因となる事柄を棚に上げ、代わりに原因をでっちあげて代わりの人に当たる行為です。
- 責任の押し付けによる合理化。
自分が行動した結果が芳しくない場合、その原因を自分以外の他者に押し付ける行為です。こうして責任転嫁することで、自分の心の平静を保ちます。
- 自身の感情の投影。
自分自身が感じていたはずの感情を他者のものとして置き換える行為です。
あなたが嫌いに思っている相手が、いつしか相手があなたのことを嫌っているのだとすり替えてしまうのです。
これにより、なぜ嫌われなければいけないのだと怒りを覚えてしまいます。相手には身に覚えはないのに。
これらの防衛機制はストレスから身を守るためでもあるので、必ずしも抑えなくてはいけないものではありませんが、度が過ぎてしまうと、良くないことは明白です。
あなた自身、ストレス耐性が低いと分かっている場合は、これらの防衛機制について理解したうえで、自分の怒りが正当なものかしっかりと考える癖をつけましょう。
4.精神病などの病気の可能性
これについては下記の項で改めて書きます。
カッとなってしまう病気にはどんなものがある?
さて、ここまでついかっとなってしまう原因について書いてきましたが、もちろん病気の可能性もあります。
- 鬱病
- 躁うつ病
- 新型うつ病
- アスペルガー症候群
- ADHD(注意欠陥・多動性障害)
- 境界性パーソナリティ障害
1.鬱病・躁うつ病・新型うつ病
鬱病とはいえ、いろいろな種類があります。
- 躁うつ病の場合は、気が滅入っているだけではなく、気分が普段以上にハイになる瞬間もあり、その時に怒りやすくなってしまうのです。
- 新型うつ病は、非定型うつ病とも呼ばれ、うつになる原因以外の場所や環境では普段通りの行動ができるが、原因である環境に戻った瞬間うつ状態になってしまいます。
また、この新型うつ病の中に怒り発作を起こしてしまう症状も含まれています。
2.アスペルガー症候群・ADHD(注意欠陥・多動性障害)
この二つの症状は発達障害の区分に入りますので、混同して考える方も多いですし、併発することも多く見られます。一応触れておきますが、脳の病気ですので、本人の意思とは関係なく症状が現れてしまいます。
- アスペルガー症候群では、相手に共感する能力、想像力や社交性が欠如しているため、相手から理解されないということが起こります。自分自身としては、何が原因かわからないので、カッとなって起こってしまうこともあります。
- ADHDは、注意力散漫や自制心が聞かないこと、忘れっぽくミスが多いことなどが症状としてあります。こちらの場合、症状に「自制心が効かない」というものがあり、カッとなる原因となっています。
3.境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害とは、
- 自分の立場を考えずに衝動的に行動してしまう。
- 何でもないことまで気になり、ダメ出しをする。
- 他人に対して攻撃的な態度をとる。
- 相手からの発言をまともに受け入れることができない。
- 自己中心的な考え方をしてしまう。
という症状があり、これらの症状を本人の意思で抑えられない障害です。
原因としては、幼少の頃の虐待や母親からの愛情不足が原因として挙げられます。また、遺伝的な要素として脳がそのような性質を持っている可能性もあります。
これが原因でイライラや怒りが抑えられなかったり、すぐにカッとなってしまたりしてしまうのです。
すぐにカッとなるのを治したいけどどうすれば?
すぐにカッとなってしまうのを治したい場合ですが、病気以外の治し方は初めの項で書きました。
- 食生活や睡眠不足の解消。
- 自分自身への愛情を深める。
- ストレスへの防衛規制への理解。
などですね。
しかし、病気が原因の場合はどうすればいいのでしょうか。
もちろん、上に挙げたことを実践するだけでもイライラや怒り、カッとなる症状は改善されます。
しかし、残念ながらそれだけでは足りません。
これには、周りの協力や医師の適切なアドバイスが不可欠です。
まずは、自分が本当に精神や脳の病気があるのか心療内科や精神科で診断してもらうことが必要になってきます。
そこで症状を言い渡された場合は、周囲の家族や信頼できる友人に相談しましょう。とても言いにくいことですが、病気なら周りの協力はいずれ必要になってきます。
すぐに告げようとは言いませんが、心の整理がついたら、周囲の人間に「自分がすぐイライラや怒りをぶつけてしまうこと、カッとなってしまうこと」を正直に告げましょう。
また、医師のアドバイスを聞くとき、おそらく何度もイラッときて怒ってしまうことがあると思います。これは精神や脳の病気というデリケートな問題を扱っていますので仕方のないことです。
医師の方もその辺は理解していながら慎重に診断していますし、こういうことにも慣れています。
途中で診察、通院をやめることのないようにしてもらいたいところです。
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