強迫性障害を患っていると、確認行為を何度も繰り返してしまい、仕事を終えるのが人より遅くなってしまいますよね。
その確認行為を何度も繰り返してしまう原因とは何なのでしょう。
また、それをやめる方法、克服する方法はあるのでしょうか。
強迫性障害の確認行為のせいで仕事が遅い?
強迫性障害のかかってしまうと、自分の意志では抑えられない不安や強迫観念、それを打ち消すように無意味な行動に走ってしまいます。(強迫行為)
かつては、強迫神経症という神経症に分類されていましたが、現代では、強迫性障害として不安障害の分類となっています。
その症状としては、様々なものがありますが、今回触れるものは、「確認行為」と呼ばれるものです。
この確認行為のせいで、日常のあらゆる作業に遅れが生じたり、周りから疎まれたりしてしまいます。
主に支障をきたす場面としては、会社で仕事をしているときなんかがあります。
例えば、
- 作成した書類に誤字脱字がないか何度も確認してしまう。
- 見積書等の計算が不安で必要以上に確認してしまう。
- その他、過去の仕事に不備がないか一つ一つ確認してしまう。
などの確認行為を何度も行ってしまいます。
もちろん確認をする行為自体は正しい行為なのですが、周りと比べてみても明らかに確認の回数が多く、本人もそのことについて気づいているというケースが多いです。
こんなに確認する必要ないと分かってはいるのだけど、不安がぬぐえず何度も確認してしまいます。
そのせいで仕事のスピードも遅くなってしまったり、確認行為を周囲の人間にも手伝わせたりと、仕事をするうえで無駄な時間がかさんでしまいます。
自分自身に自覚があるため、周囲の人間への迷惑を考え、仕事をやめてしまう人が後を絶ちません。
強迫性障害の確認行為の原因は?
強迫性障害の原因としては、明確な原因は分かりません。
ただ、有力な説としては、脳の特定部位の障害、神経伝達物質の異常が有力です。
ただ、もともとまじめな性格の人に多く現れる傾向があります。
また、確認行為の原因としては、あらゆるきっかけが考えられます。
- 家の鍵を閉めたか不安になり確認行為を繰り返してしまう場合は、「泥棒が入らないか不安」だったり、「家にいる子どもが襲われないか不安」だったり。
- 仕事上の書類の作成に関して確認行為を繰り返してしまう場合は、「上司に怒られないか不安」だったり、「同僚や上司に迷惑を掛けないか不安」だったり。
上記の場合は、確認行為の原因として、「自身に危害が及ぶか不安」「他人に危害が及ぶか不安」のように分類出来ます。
もちろん他にもありますが、あなた自身の確認行為のきっかけを細かく見ていくと、原因を分類できるかもしれません。
一度、自分自身の強迫行為に向き合ってみるのもいいかもしれません。
強迫性障害の確認行為を克服するには?
強迫性障害の確認行為を克服するには、きちんとした治療を受けるのが手っ取り早いです。
確認行為だけではなく、強迫性障害の治療に有効と言われているのが、
1.暴露反応妨害法です。
これは、認知行動療法の一種で、
①きっかけの特定⇒②きっかけと向き合い、強迫行為の抑制⇒③強迫行為を我慢した後の心境を確認する
というものです。
この治療法は自身の不安と正面から向き合うために、かなり精神的負担の大きい治療法です。
これには家族や医師の協力が不可欠であり、自分一人でやると必ず挫折します。
その他に、
2.森田療法という治療法もあります。
これも、一部暴露法のような治療も含むのですが、より丁寧にありのままの自分を見つめようというものです。
ただ、この治療法を行っている病院はほとんどなく、サポートも受けにくいため、独学で本を読むなど勉強が必要です。
インターネットの知識だけでやろうとしても中々うまくいきませんし、高額な教材を買わされるのがオチです。
これらの治療法が難しい場合は、
3.薬物療法になります。
いずれにしても、精神科に行って適切な診断をもらってからの対応となります。
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