「ずつ」と「づつ」の違いと使い分けは?文化庁の考えは?

少しずつ?少しづつ?
ひとりずつ?ひとりづつ?

「ずつ」と「づつ」の使い分けで悩むことは結構あります。

今回は、「ずつ」と「づつ」の違いと文化庁はどちらが正解だと言っているか、
書いていきます。

「ずつ」と「づつ」どっちが正解?

ずつとづつの違いと使い分け

結論から言いますと、どちらも正解です。

原則的には「ずつ」を使うけど、
「づつ」を使っても問題はないですよ、ということになっています。

ただし、「づつ」については、気持ち悪いと感じる人も多いかと思います。

ですので、こだわりがないのでしたら「ずつ」を使いましょう。

少しずつ
一人ずつ

↑こちらの方がほとんどの人にとって、しっくり来る表現でしょう。


あなたが書く文章で「一人ずつ」「一人づつ」が混じって使われているようでしたら、
それは統一するようにしましょう。

どちらでも構わないとは言え、文章に気持ち悪さが出てしまいます。

「ずつ」を原則とする根拠は?

文化庁が出している
「現代仮名遣い」に関する内閣告示及び内閣訓令について
(http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19860701002/t19860701002.html)
を参照すると、

「ずつ」は→本則としてこちらを使う
「づつ」は→使うことが出来る

とされています。

つまり、どちらでも構わないけど、
原則は「ずつ」を使いましょうねって書いてあるのです。

この訓令は昭和61年に出されました。

それと同時に昭和21年に出された訓令を廃止しました。

それまでは、
歴史的仮名遣いである「づつ」は間違い
現代的仮名遣いである「ずつ」が正解

とされてきました。

それが、昭和61年の訓令によって改正されたのです。
どちらを使ってもいいよ、と。

ただ、それまでは、「ずつ」が正解とされてきたために、
「づつ」を使われてしまうと、間違いではないかと指摘する人も多いのです。

ややこしい「ず」と「づ」の使い分け

ここまでで疑問は解消されたかと思います。

ただ、他にもこの「ず」と「づ」の使い分けにはルールが存在します。

同音の連呼

続く→つづく○ つずく☓
縮む→ちぢむ○ ちじむ☓

このように同音の連呼がある場合は、
「つ」のあとに「づ」を
「ち」のあとに「ぢ」を続けるようにします。

※「いちじく」や「いちじるしい」は例外です。

二語で一つの言葉とする場合

例えば、

小遣い→小 + 遣い(こづかい)
常々 →常 + 々 (つねづね)
底力 →底 + 力(そこぢから)

以上のように、二語をあわせて2つの意味とする場合は、
「ぢ」や「づ」を使います。

実はこれの例外として、「ずつ」が指定されています

世界中(せかいじゅう)や稲妻(いなずま)、ひとりずつ
など二語に分けられにくいものは、
本則(原則)として、「じ」や「ず」を使うこととしているのです。

他に固唾(かたず)、杯(さかずき)、ゆうずう(融通)

などがあります。

ただし、「せかいぢゅう」や「いなづま」、「ひとりずつ」など
「ぢ」や「づ」を用いることも出来る

詳しくは、内閣訓令を読んでみてください。
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19860701002/t19860701002.html

「ずつ」と「づつ」の使い分けまとめ

基本的に「ずつ」と「づつ」はどちらを使っても構いません。

ただし、原則は「ずつ」と定められています。
また、新聞や教科書に使われる言葉遣いも「ずつ」です。

もちろん、「づつ」でも問題はないのですが、
ほとんどの人は違和感を感じるでしょう。

こだわりがないのでしたら、「ずつ」を使ったほうが何かと便利だと思います。

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