公務員を退職するときに気になることといえば、賞与、退職手当のほか有給休暇(年休)の消化があると思います。
民間企業でもそうですが、有給の消化をさせてもらえないという声もたまに聞きますが、法律的にはどうなのでしょう。
公務員退職時、有給の消化はできるのか。時季変更権を行使されやしないだろうか。
公務員が退職する際は有給休暇を消化できるのか?
公務員退職の有給休暇消化の際に知っておきたいのは、
- 「地方公務員法の第24条5項」
- 自治体が定める
「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例」
の2点です。
地方公務員法第24条5項には
職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。
と書いてあります。
そのため、年次休暇については各自治体が条例によって定めています。
甲府市の職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例にはこうあります。
第9条3項
任命権者は、年次有給休暇を職員の請求する時季に与えなければならない。
ただし、請求された時季に年次有給休暇を与えることが公務の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
あなたがお勤めになっている自治体がこの文面のままということはないですが、大体はこのような形を取っていると思います。
ここに書いてあるように、任命権者である上司は職員が年次休暇を申請したら拒否できないことになっています。
ですので、退職の際に有給消化を拒否されそうな場合は、この条文を盾にして交渉するといいでしょう。
まあ退職ということなので、ほとんどの場合は拒否されないとは思います。
ただ、気をつけないといけないのが、但し書きのあとの文章です。
「ただし、請求された時季に年次有給休暇を与えることが公務の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」
いわゆる時季変更権のことですね。
公務員退職間際にこれを行使することはできるのでしょうか。
公務員の退職にあたり有給の時季変更権は行使されるのか?
上の条例のように、時季変更権が定められている以上は行使される場合もありえます。
しかし、退職間際(例えば3月末)のギリギリまで年次有給休暇を取得する場合、他の時季に変更するということは新年度4月にするしかないですよね。
この場合、退職予定日を超えての時季変更権は行使できないので、有給消化は可能となるでしょう。
ただし、後任者への業務の引き継ぎが済んでいない場合は、出勤して引き継ぎは済ませたほうがいいかと思います。
あくまで倫理の問題で法律的には問題ないですし、公務員は何でも書類に残してありますから後任者もそれを見れば業務は遂行できます。
ただ、かなり恨まれますし、後味も悪いです。
公務員の退職で有給休暇消化や時季変更権のまとめ
公務員の年次休暇については、
- 地方公務員法の第24条5項
- 自治体ごとの職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例
によって定められています。
これら法律からも、退職ともなれば有給の消化はたやすいでしょう。
時季変更権の行使も難しいので、安心して消化できます。
ただし、引き継ぎなどの問題もありますので、有給休暇の消化はそれが済んでからにしましょう。
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